便秘・残便感
便秘・残便感について
便秘は全人口の約10〜15%にみられる非常に一般的な症状で、特に女性では男性の2倍以上と高頻度に認められます。
便秘の原因は多岐にわたりますが、大きくは
・大腸自体に異常があり、便の通り道が狭くなる「器質性便秘」
・大腸に明らかな異常はないものの、腸の動きに問題がある「機能性便秘」
の2つに分けられます。
また、「出た気がしない」「すっきりしない」といった残便感も、同様に重要な症状の一つです。
当院では、症状の経過や背景を丁寧に確認し、重大な疾患を見逃さないよう適切に評価を行っています。
便秘・残便感が続く場合に疑われる疾患
① 大腸がん・大腸ポリープ
器質性便秘の原因として最も注意すべき疾患です。特に「警告症状」と呼ばれる、
・急激な排便習慣の変化
・血便・体重減少
・食欲低下
・全身倦怠感など
を伴う場合は、速やかな検査が必要とされています。
また、過去に大腸がんやポリープの既往がある方や、家族歴がある方もリスクが高くなります。加齢とともに頻度は増加するため、該当する方は定期的な大腸カメラ検査が推奨されます。
② 慢性便秘症
大腸カメラ検査で器質的異常が否定された場合は、機能性便秘として治療を行います。機能性便秘はさらに以下の3タイプに分類されます。
・大腸通過正常型(便の材料不足)
・大腸通過遅延型(腸の動きが弱い)
・排便困難型(便は来ているが出せない)
排便回数や便の性状などをもとに、どのタイプに該当するかを見極めながら治療方針を決定します。
③ 過敏性腸症候群(便秘型)
慢性便秘症との鑑別が難しい場合もありますが、ストレスや生活習慣との関連が強いのが特徴です。治療の基本は慢性便秘症と同様ですが、生活背景へのアプローチも重要となります。
④ 内痔核(いぼ痔)
肛門部の腫れにより便が細くなったり、残便感を自覚することがあります。軽症であれば外用薬や内服薬で対応しますが、症状が強い場合には手術治療が検討されます。
⑤ 直腸瘤
直腸の一部が膣側へ突出し、ポケット状になることで排便がスムーズにいかず、残便感の原因となります。特に産後や高齢の女性に多くみられます。軽症の場合は骨盤底筋トレーニングなどで改善が期待されます。
検査について
便秘や便が細い、残便感が続く場合には、まず大腸カメラ検査によって大腸がんなどの重大な疾患がないかを確認することが重要です。
特に以下のような症状がある場合は、積極的な検査をおすすめします。
・便秘と下痢を繰り返す
・これまで問題なかったのに急に便秘になった、便が細くなった
・血便がある・便潜血検査で陽性となった
・40歳以上で大腸カメラ検査を受けたことがない
・体重減少がある
・家族に大腸がんやポリープの既往がある
当院では、苦痛に配慮した大腸カメラ検査を行い、必要に応じてポリープ切除まで一貫して対応しています。症状が続く場合は、お早めにご相談ください。
